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美幌療育病院
院長の言葉
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昨年5月に新型コロナウイルスは5類感染症に変更になりました。現在では市中の人々の生活はほぼ新型コロナ流行前の状態に戻ったといっても過言ではないでしょう。しかし、病院内では利用者と職員の健康を守るために、感染対策を緩めることはできませんでした。実際、その後もインフルエンザを含め職員およびその家族の方々は散発的に感染がみられ、また院内でも数回のクラスターが起こり、職員には感染対応に負担をかけてしまいました。ただ、集団および個人免疫により、感染の爆発的な拡がりや症状の重篤化はみられておりません。この4月からはおそるおそるですが、感染対策のハードルを下げています。今まで制限していた院内外の活動も大いに再開し、利用者の笑顔を見ることができると思います。ただ、家族面会などではまだ一部制限を設けております。ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。流行状況にもよりますが、1年後には利用者と職員がマスクなしの笑顔を見せ合う日々が迎えられると信じています。 さて、当院の前身である国立療養所美幌病院は1944(昭和19)年に日本医療団美幌奨健寮として創設、1947(昭和22)年に厚生省に移管され国立療養所となりました。その後、2003(平成15)年3月1日に社会福祉法人北海道療育園へ経営が移譲され、美幌療育病院へと生まれ変わりました。当初より重症心身障害児(者)病床120床と療養病床30床を合わせた150床を、法人理念の1つである「福祉施設は社会の共有財産」とし、また地域に根差した医療施設を運営しております。
ここで一般には馴染みのない「重症心身障害」について説明します。重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態を重症心身障害、その状態にある子どもを重症心身障害児、さらに成人した方を含めて重症心身障害児(者)と呼んでいます。1967(昭和42)年には児童福祉法改正により重症心身障害児施設が法制化されました。その後、2012(平成24)年4月1日からは18歳未満が対象の医療型障害児入所施設(児童福祉法)と18歳以上が対象の療養介護事業所(障害者総合支援法)の2つの法律に拠る施設へと変更されました。2018(平成30)年4月以降も重症心身障害児と者の一貫とした、かつ施設定員・設備と職員などの一体とした、恒久的な運営が可能となり、現在に至っております。
重症心身障害児(者)の方々は、当院のような施設入所をはじめ、生活介護や短期入所、訪問サービスを利用しながらの在宅生活など、様々な形で日々の生活を過ごしています。この方々の生活と健康をお守りすることが当院の使命です。職員一同この使命を果たすべく、病院理念に基づき基本方針を日々実践しています。また地域の皆さまからのご要望もあり、2005(平成17)年から「発達外来」を開設しました。オホーツク圏域における唯一の療育専門病院として、引き続き多くのお子様の診療と治療、リハビリテーションを行なっていきます。しかし近年、地域の人口減少や少子高齢化もあり、医師を含め、その確保には苦労しており、利用者のケアが十分に行き届かない状況でした。昨年11月にはミャンマーからの特定技能外国人3名を当院に迎えました。受け入れには不安もありましたが、職員によるマンツーマンでの指導のおかげもあり、約半年経過し、現在ではほぼ独り立ちで介護業務にあたってくれています。介護技術の習得や療育マインドの獲得には目を見張るものがありました。5年後には介護福祉士の資格取得を目指しており、職員もそのバイタリティーには大いに刺激を受けています。信頼され、選ばれる病院であるため、安心・安全な医療と福祉サービスの提供のため、これからも人財確保とその育成も重要です。院内・外、オンラインでの充実した研修、働きやすい職場環境と新規採用職員の教育には自信があります。私たちとともに障害児(者)医療を実践していただける職員を随時募集しておりますので、ご興味のある方はぜひともご一報ください。
最後になりますが、昨年5月には開院20周年記念の式典と公開講演会を開催することができました。出席ならびにご協力いただいた関係者の皆様にこの場をお借りしお礼を申し上げます。今年で開院21年を迎え、これからは今までの貴重な経験と固い信頼を基に病院の伝統を築き上げていかねばなりません。伝統は改革の積み重ねともいいます。私たち職員一同は現状に甘んじることなく改善を繰り返し、美幌療育病院をより信頼され、より選ばれる病院にしていきます。今後とも当院の運営にご支援・ご協力をお願いいたします。
2024年4月
社会福祉法人 北海道療育園
美幌療育病院
院長 原 誠之助
■ 法人 社会福祉法人北海道療育園
〒071-8144 北海道旭川市春光台4条10丁目
TEL 0166-51-6524/FAX 0166-51-6871
■ 施 設
・美幌療育病院
・ワークセンターぴぽろ
〒092-0030 北海道網走郡美幌町字美富9番地
TEL 0152-73-3145/FAX 0152-73-5298
TEL 0152-75-0330/FAX 0152-73-1518